No.0051 冠婚葬祭 | 神話・儀礼 『葬式は必要!』 一条真也著(双葉新書)

2010.04.20

葬式は必要!』を双葉新書より上梓しました。

最期の儀式に迷う日本人のために

わたしは、わが社のためでも業界のためでもなく、日本人のために本書を書きました。

今こそ、葬式の持つ深い意味を知らなければなりません。 儀式には力があります。

そう、「かたち」には「ちから」があるのです。

愛する人を亡くした人の心は不安定に揺れ動いていますが、そこに儀式という「かたち」のあるものを押し当てると、不安が癒されていきます。

親しい人間が死去する。その人が消えていくことによる、これからの不安。残された人は、このような不安を抱えて数日間を過ごさなければなりません。

心が動揺していて矛盾を抱えているとき、この心に儀式のようなきちんとまとまった「かたち」を与えないと、人間の心にはいつまでたっても不安や執着が残るのです。

この不安や執着は、残された人の精神を壊しかねない、非常に危険な力を持っています。

この危険な時期を乗り越えるためには、動揺して不安を抱え込んでいる心に、ひとつの「かたち」を与えることが求められます。 まさに、葬儀を行なう最大の意味はここにあります。

「無縁社会」が叫ばれる今日この頃、多くの人々と縁を結び、旅立ってゆく「葬式」という人生の卒業式の意味はますます大きくなっています。

そんな考えや思いをまとめてみました。 『葬式は必要!』、ご一読下されば幸いです。

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