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No.0962 人生・仕事 | 人間学・ホスピタリティ 『最高の自分を生きる』 丸山敏秋著(致知出版社)
2014.08.05
『最高の自分を生きる』丸山敏秋著(致知出版社)を再読しました。
本書は、最高の自分を生きるための秘密ともいえる「ゾーン(Zone)」について書かれた本です。この読書館でも紹介した『かもめのジョナサン完成版』の「あとがき」で、同書を創訳された五木寛之氏が「ゾーン」について触れており、この『最高の自分を生きる』の内容を思い出しました。
「ゾーン」とは何か。それは「実力がフルに発揮できる理想的な心の状態」です。あるいは、「精神的にも肉体的にもまるで自動操縦されているように感じながら、最高のプレーができる状態」のことです。
たとえば、実戦でほとんどホームランを打ったことのない野球選手が、無心でバットを振ったところ、起死回生の逆転ホームランとなります。彼は打席で「ゾーン」に入ったのです。本来は持っていながら普段は発揮できなかった力が、そのときには発揮されたのです。
もちろん、素人がいきなりその境地に入れるわけではなく、才能やトレーニングの成果が見事な結果を生むことは事実です。しかし才能があり、相当量のトレーニングを積んでも、「ゾーン」に入れないケースは多いのです。そこに監督やメンタルコーチの力量が問われます。
「ゾーン」はスポーツに限らず、あらゆる領域にあるといいます。日常生活や仕事の上でも、「ゾーン」に近い状態を経験することがあります。物事がトントン拍子に進んだり、会いたかった人とばったり会ったり、いままで出来なかったことが急に出来るようになる。そういうとき、自分を超えた存在を感知せずにはおれず、「最高の自分」がそこにいるのです。
本書は、いわゆるハウツー本でも自己啓発書でもありません。あくまでも、読者自身が「ゾーン」を感じとることを目的としています。イチローをはじめとした達人たちに学び、生きがいのある人生を送るためのヒントが満載です。