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No.0322 社会・コミュニティ 『祈りと希望』 実行委員会編(経済界)
2011.05.06
『祈りと希望』「祈りと希望」実行委員会編(経済界)を読みました。
「いまこそ私たちは共にある ツイッターに広がった感動の言葉251」というサブタイトルがついています。東日本大震災後、各地でのツイッターのつぶやきを集めた本です。
感動し、勇気をもらい、そして涙した。
大震災は、わたしたちの社会の方向性を確実に変えました。編著者である「祈りと希望」実行委員会の佐々木一成氏は、本書の序文で次のように書いています。
「生けるものの大切さ、死、環境、エネルギー問題・・・・・。日本国民として、また地球の上で生きる一人の人間として、今まで普段の生活の中であまり考えることの無かったことに向き合わされると同時に、自分たちの無力さを思い知らされたのです」
しかし、そうした現実の中で、多くの言葉が発せられました。そして、それらの言葉はいずれも真実の言葉でした。佐々木氏は、そうした言葉たちについて次のように述べています。
「私たちは、それらの言葉から、先の見えない将来に立ち向かっていく勇気をもらいました。隣人を愛する思いやりをもらいました。さらに、簡単に答えを出すことなどできませんが、地球上の不幸や苦難が決して他人事ではなく、私たちすべての人間の問題であると学ぶことができました」
ここで、佐々木氏は「隣人を愛する思いやり」というキーワードを挙げています。まさに、「隣人の時代」の到来を感じてしまいます。
それでは、本書に収められている251の言葉の中から、特にわたしの心に残ったものをご紹介しましょう。それぞれの言葉には番号が記されていますので、それも一緒に紹介します。本書を実際に手に取られたとき、ぜひ、番号を手がかりに感動した言葉を確認されて下さい。最初は、「働くひとたち」に関する言葉です。
002
メールを1週間無料にしたソフトバンクや、大規模災害による免責を行なわず全額支払うといった生命保険各社。
あんた達、輝いてるよ。
そして、光輝く看板の中で唯一電気を消していたグリコ。
暗いはずのあんたが一番輝いてたよ。
005
津波に遭遇した記者さんがレポートしながらも一緒に逃げているおばあちゃんをおんぶしたり、優しく声をかけたりして地元の人と一緒に車の上に取り残された人を救助。
救助された人に「どんな気持ちですか?」とか無神経な事聞かず真っ先に「大丈夫だった?大丈夫だった?」と声をかけていて感動した。
006
昨日の夜中、大学から徒歩で帰宅する道すがら、とっくに閉店したパン屋のおばちゃんが無料でパン配給していた。
こんな喧噪のなかでも自分にできること見つけて実践している人に感動。
心温まった。東京も捨てたもんじゃないな。
010
昨日、歩いて帰ろうって決めて甲州街道を西へ向かっていて夜の21時くらいなのに、ビルの前で会社をトイレ休憩所として開放してる所があった。
社員さんが大声でその旨を歩く人に伝えていた。感動して泣きそうになった。
いや、昨日は緊張してて泣けなかったけど、今思い出してないてる。
ホスピタリティ・ビジネスで不動の地位を築いてきたのが東京ディズニー・リゾートです。今回の大震災でも、その名を大いに上げました。その感動は、「022」と「023」のつぶやきに表れています。
022
すごい。
弟たった今ディズニーランドから帰宅したんだけど。
新品のお菓子袋いっぱいにもらってきて、客全員分の帰りの交通費負担してくれたんだって。一晩中、何か言えば全て対応してくれたって。
やっぱり世界のディズニーランドなんだね。
023
ディズニーシー、マーメイドラグーンシアター内にて、ショー上演中に地震発生。
観客がパニックに陥る中、ワイヤーで吊り下げられ最も危険な状態であるはずのアリエルが笑顔で懸命に手を振り続けていました。
揺れが収まり、アリエルが退場すると、客席からは大きな拍手が起こりました。
大震災で人々を元気づけたのはテーマパークのキャストだけではありません。日常でみんなが利用する電車の車掌さんや駅員の人々も、お客さんのためにベストを尽くしてくれました。「026」と「030」は、そんな感動のつぶやきです。
026
今朝の東横線車掌さん、アナウンスで「大変なことになってますが、ここが頑張りどころです。みんなで力を合わせて乗り切りましょう!」と。
すごいびっくりした。
030
駅員さんに「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って言ってる小さい子達を見た。駅員さんは泣いてた。俺は号泣してた。
このたびの大震災ほど、日本人が自衛隊に心から感謝したことはないのでは? かつて、三島由紀夫が決起を呼びかけても動かず、冷笑を浴びせた自衛隊。その姿勢に「平和ボケ」を感じ、彼らに失望したこともありました。でも、いま、「やっぱり、日本の自衛隊はすごい!」と心から思います。「032」から「044」は、そんな自衛隊に関する言葉です。
031
自衛隊が救助できた人は1万近いらしく感動。”福島の奴と話せた時に自衛隊の無双ぶりをきいた。マジですごいらしい。
背中に年寄り2人背負って両腕に年寄り1人ずつ。
計4人の年寄り抱えてダッシュとか普通にしてるらしい。
それなのに食事も睡眠もろくにとらず、笑顔でがんばってるようだ。
032
ぜんぜん眠っていないであろう旦那に、「大丈夫?無理しないで。」とメールしたら、「自衛隊なめんなよ。今無理しないでいつ無理するんだ?言葉に気をつけろ。」と返事が。
彼らはタフだ。肉体も、精神も。
037
ある自衛隊員が言った。
「被災地で炊き出しをした際、たとえ余っても自衛隊員は絶対食べないで缶詰の冷たいご飯を食べます。被災地の人用にお風呂を用意しても自衛隊員は入りません。そして出来るすべての事をやったらひっそりと帰る。それが自衛隊です。」
自衛隊は日本の誇りです。
040
高速に自衛隊、レスキューいっぱい走ってる自分の目で見ると感動する。
助け合ってんだなぁ。
タンクローリーもいっぱい北上中
ダンボールたくさん積んでる自家用車も北上中、東北がんばるぞ~!!
044
子供「じえいたいってなーに?」
「日本で唯一、最終話が無いヒーロー戦隊だよ」
日本は、これまで多くの外国に支援を続けてきた「援助大国」でした。そして、今回は日本を多くの国々が助けてくれました。「054」から「065」は、日本を想う海外からの言葉です。
054
サンフランシスコから。
本日学校にいったら、各国様々な人が『日本は大丈夫か?何かできることはないか?』
と真っ先に僕に話しかけてくれ、涙が出ました。
世界中が日本を応援しています。
055
ロンドンにいる友達がお財布をなくした時に、お金をかしてくれた中国人の友達がお金は返さなくていいから日本の為に募金してって言ってくれました!!
四川が地震の時に日本の救援隊が助けてくれたから、恩返しがしたいって。
060
韓国人の友達からさっききたメール。(日本語訳後)「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。毎年台風がくる。地震だってくる。津波もくる・・・・・・小さい島国だけど、それでも立ち上がってきたのが日本なんじゃないの。頑張れ、超頑張れ。」
065
ブータンの国王が100万ドルの義援金を日本に送ってくれた。約8千万円。
人口が島根県と同じぐらいしかおらず、平均月収が1-3万円ぐらいの国からの、100万ドル。その心が、重く、ありがたい。
本当にありがとうございます。
3月11日、被災地で、大量の帰宅難民を生んだ首都圏で、NHKのスタジオで、さまざまなドラマがありました。いずれの言葉に触れて思うことは、「日本人も捨てたものじゃない」、そして「ほんとうは、人間は優しい」ということ。個人的には、「166」のつぶやきに泣けました。わたしも、長女が横浜に住んでいますので・・・・・。
076
NHKの男性アナウンサーが被災状況や現況を淡々と読み上げる中、「ストレスで母乳が出なくなった母親が夜通しスーパーの開店待ちの列に並んでミルクが手に入った」と紹介後、絶句、沈黙が流れ、放送事故のようになった。
すぐに立ち直ったけど泣いているのがわかった。目頭が熱くなった。
144
ヤンキーの兄ちゃんがおばあちゃん背負って避難したり、ヤクザのおじさん達が交通整備したり、見た目DQNな集団が子供の傍から離れられない親の分まで食料受け取って配ったり、二次元クラスタの連係プレーでヤシマ作戦成功させたり、日本人に生まれたことを誇りに思う
166
長女いわく、横浜の避難所に向かう時に、知らない人達と声を掛け合い、場所を教え合っていたそうです。
普段は冷たいと思っていた他人の優しさに触れ、感動したそうです。
日本人のいざという時の団結力を再認識しました。
まだまだ日本も捨てたものではないです。
169
日本人ってバカだよな。
こんなときに暴動も起こさず真面目に規律守ってるんだ。
自分も辛いだろうに他人を気遣って手を差し伸べて、暴言を吐かれても仕事を放り出すこともせずに復旧・救命活動して。
本当にバカばっかりだ。日本人で良かった。
175
こんな状況でも略奪や暴動も起こらない。
帰宅困難者も整然と自宅に向かう・・・。
そんな日本人の国民性が世界の人びとを感動させるのだと聞いたことがあります。
平和ボケと見る目もありますが、コレは明らかに『美徳』です。誇りに思いましょう。
最後に、わたしたちの社会の方向性が変わったことを実感する言葉を2つ。「183」も「184」も、とても重要なことをつぶやいています。この2つの言葉を、多くの方々に知ってほしいと心から思います。
183
そのあと、スーパーに行ったら盲目の人が買い物してて、盲導犬もいて、普段はちょっとけむたいような目で見るのに、色んな人が必要なものあったら、探してきますよとか声掛けてた。
優しさが小さくても見えなくても生まれてる。また涙出た。
普段ならお節介だよねで見ない振りしてたよね。。
184
駅のホームで冷たい風に凍えている方へ。
隣の人に一歩近づいてみてください。
ちょっと暖かいでしょ?風が遮られたでしょ?
いま、隣の人があなたのために風を遮ってくれてるように、あなたも隣の人のために風を遮っています。
やっぱり、いま、「隣の人」が最大のキーワードではないでしょうか? 以上、ここでは24の言葉を紹介させていただきました。全体の1割にも達していませんが、本書全体の雰囲気はわかったのではないでしょうか。本書には、この他にも227の言葉が掲載されています。
ぜひ、すべての言葉を味わってみて下さい!