No.0846 人生・仕事 『人生と経営』 稲盛和夫著(致知出版社)

2013.12.31

 『人生と経営』稲盛和夫著(致知出版社)を再読しました。
 現代日本が誇る哲人経営者・稲盛和夫氏。その「ど真剣」に生きてきた人生の軌跡をご本人自らが振り返ります。「みんな一致団結して世のため人のためになることを成し遂げたい」と誓詞血判して京セラを創業しました。

 「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を理念として京セラを経営しました。「動機善なりや、私心なかりしか」と自らに問うたあとに、DDIを創業しました。

 さらに、「世のため人のために尽くすことこそ、人間としての最高の行為である」と信じ、稲盛財団を設立しました。

 このすべての歩みが、嘘偽りのない稲盛和夫の心の発露でした。まさに、考えることがそのまま同時に行動となっている「知行合一」の人と言う他はありません。しかし、著者は言います。自分は聖人君子ではない。放っておけば、「利己」のほうに振りかねない。ただ、それだけに「利他」であろうとして懸命に努力をし、日々精進してきたつもりである、と。

 この方は本物です。いや、わたし如きに、この稀代の哲人経営者を語る資格などないことは重々理解しています。でも、この方が本物中の本物であることだけは、よくわかります。人間として正しいことを追求し、「今後も日々の仕事を通じて、さらに精進を重ね、魂の純化、浄化に努めていきたいと考えている」と堂々と語る著者の奇跡の人生に、ただただ感動をおぼえるだけです。人生と経営について考える、すべての人に本書を読んでほしいと思います。

Archives