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No.0953 人間学・ホスピタリティ | 帝王学・リーダーシップ 『吉田松陰名語録』 川口雅昭著(致知出版社)
2014.07.20
『吉田松陰名語録』川口雅昭著(致知出版社)を再読しました。
幕末長州の一寒村に誕生した松下村塾という私塾。ここでわずか2年の間に、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋など、多くの維新の指導者たちを育て上げた吉田松陰の名言集です。29年という奇跡の人生を歩んだ松陰の残した言葉から心魂に響く130の名言を選び、「いかに生くべきか」という観点から解説を加えたものです。
どれも名言ばかりですが、わたしは特に次の2つの言葉が強烈に心に残りました。
まず、第1番の「志を立てざるべからず」。
松陰は、「志の高さが人生を規定する」と考えました。日々の生き方は志次第で決まり、変わります。会社の経営者も、志が単なる希望や望みではないことを肝に銘じて、今の志を常に振り返り、より正しく、大きなものとしたいものです。
もう1つは、第67番の「万巻の書を読むに非(あら)ざるよりは、寧(いずく)んぞ千秋の人たるを得ん」。
万巻の書を読破するのでなければ、どうして長い年月にわたって名を残す人になれるだろうかという意味です。読書の重要性を、きわめてシンプルに説いています。野山獄における松陰は入獄早々から猛然と読書を始めました。彼はここでの読書ぶりを「野山獄読書記」に書き残していますが、1年3ヶ月の在獄期間中に読破した冊数は、なんと600冊にものぼります。
それを知ったわたしは、大変ショックを受けて発奮し、松陰に負けないように読書に励んだ思い出があります。そのとき読んだ本の中に、儒教、特に陽明学の本が多かったのです。ある意味で、松陰は「完璧なる陽明学の人」だったと思います。
なお、本書は『面白いぞ人間学』(致知出版社)でも取り上げています。