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No.1347 経済・経営 『創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』 グロービズ経営大学院著、田久保善彦監修(東洋経済新報社)
2016.11.16
『創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』グロービズ経営大学院著、田久保善彦監修(東洋経済新報社)を読みました。一連の長寿企業研究本の読書も、本書でひとまず打ち止めです。
本書の帯
本書の帯には「絶対に『枯れない』、これだけの理由」と大書され、続けて「岡谷鋼機、月桂冠、ヤマトインテック・・・・・・時代を乗り越え、つなぎ続ける老舗から学ぶ」と書かれています。
また、帯の裏には以下のように書かれています。
「日本では創業300年企業は605社存在している。室町・戦国時代に創業された500年以上の企業は39社。創業1000年を超える超長寿企業は7社あり、世界最古の企業も日本に存在する。まさに『長寿企業大国ニッポン』と言えるのである」
本書の帯の裏
本書の「目次」は、以下のような構成になっています。
「はじめに」
第一章
三〇〇年長寿企業
武士の時代から続く日本企業
一 長寿企業大国ニッポン
二 六九社の日本型サスティナブル企業
三 時代、世代、事業の変化を超えた日本型サスティナブル企業
四 日本型サスティナブル企業の方程式
第二章
顧客価値を提供し続ける
一 顧客価値を提供し続ける三つの力
二 長寿に適した土俵を選び戦う
三 企業継続の事業ポートフォリオ
第三章
身の丈経営を実践する
一 平時も有事も「身の丈経営」を継続する
二 身の丈経営を可能にする財務体質
三 身の丈経営を律する内発的なガバナンス
第四章
価値観をつなぐ
一 日本型サスティナブル企業の価値観
二 継続のために大切な価値観をつなぐ
三 社長が後継者へ価値観をつなぐ
四 後継者がタスキを受け取る
五 価値観を社員に広げ、つなぐ
六 会社を超えて価値観をつなぐ
第五章
日本型サスティナブル企業の経営を下支えする三つの要素
一 コミュ二ティと共存する
二 神事・祭事を経営に活かす
三 組織学習で社員を伸ばす
四 日本型サスティナブル企業の時代を超えた経営の変化の評価
「おわりに」
日本は、世界の創業200年の長寿企業の43%を占め、300年企業が605社も存在する長寿企業大国です。長寿の理由は、大きく歴史的側面、文化的側面、経営的側面がポイントになると、著者は分析します。「はじめに」では、創業300年以上の超長寿企業の社長に対するインタビューを行ったところ、実際に出てきた言葉を以下のように紹介しています。
●企業の平均寿命が30年といわれる中で、なぜ、その10倍以上の長きにわたり継続できている企業が日本には多数存在しているのか。
●創業社長でさえ、自らの価値観を社員に浸透させるのは難しいのに、長寿企業は大切なものをどのようにしてつなぎ続けているのか。
●明治維新や何度もの戦争など、時代の様相が完全に変わってしまうくらいの変動を長寿企業はどのように乗り越えたのか。
●結果的に、武士の時代からの伝統や価値観を守りながら、長寿企業が21世紀に隆々と繁栄しているのはなぜなのか。
●想像することすら難しい「大阪夏の陣」の翌年にできたような企業から、21世紀の現代に何を学ぶことができるのか。
本書の成り立ちについては、以下のように説明されています。
「本書のベースになった調査では、概ね10代以上の経営トップが受け継いできた300年以上の歴史があり、なおかつ、仕組みとしての企業経営について議論を深めるため、50億円以上の売り上げがある企業を日本型サスティナブル企業と定義し、様々な角度から検討を加えました」
第一章「三〇〇年長寿企業 武士の時代から続く日本企業」の一「長寿企業大国ニッポン」では、「企業寿命30年説」に言及した後で、以下のように書かれています。
「企業寿命30年説の10倍、江戸時代中期、8代将軍の徳川吉宗が登場する前に創業された300年企業ではどうなるでしょうか。創業300年企業でさえも、日本では605社が存在しています。また、室町・戦国時代に創業された500年以上の企業も39社、創業1000年を超える超長寿企業も7社あり、世界最古の企業も日本に存在します。まさに、『長寿企業大国ニッポン』と言えるのです」
それから、長寿企業研究本で毎度おなじみの「エノキアン協会」が登場します。同協会の加盟資格が以下のように紹介されています。
・創業200年以上の社史を持っていること
・創業者の子孫が現在でも経営者、もしくは役員であること
・家族が会社のオーナーもしくは筆頭株主であること
・現在でも健全経営を維持していること
エノキアン協会には、欧州の伝統産業であるワイン、ガラス製品、宝石などの分野を中心に40社が加盟しています。欧州の団体でありながら、日本からも5社加盟しています。その5社とは、以下の通りです。
法師(有限会社善吾楼)(創業718年、温泉旅館)
株式会社虎屋(創業1530年、和菓子)
月桂冠株式会社(創業1637年、酒造業)
岡谷鋼機株式会社(創業1669年、商社)
株式会社赤福(創業1707年、和菓子)
日本最古の旅館「法師」の入口で
「日本に長寿企業が多い三つの理由」としては、(1)侵略や大きな内乱がなかった日本独特の歴史的側面、(2)和、創意工夫、伝統、質素倹約、勤勉を尊びつつ、他者を受け入れる日本の文化的側面、(3)日本的な経営の考え方の影響・・・・・・以上の3つが挙げられています。
最初の「(1)侵略や大きな内乱がなかった日本独特の歴史的側面」では、「企業存続には、まず国の安定が基盤になってきます。日本は、中国や欧州の大陸国家と異なり、極東の島国であり、地政学的に他国から侵略されにくかったことがあげられます」と書かれています。
次に、「(2)和、創意工夫、伝統、質素倹約、勤勉を尊びつつ、他者を受け入れる日本の文化的側面」では、以下のように説明されています。
「日本では古来より、『血縁』より『家』の存続が重要だという文化がありました。そのため、家(家業)を継ぐ子供に恵まれない場合も、血縁にこだわらず、養子制度で対応してきたのです。親戚だけでなく、時には従業員の中からも、優秀な人物を選び、養子として迎えて家督を継がせてきました。これらの後継者が、家(家業)の存続を第一義に考え、現在の経営理念にもあたる家訓を守り経営してきたことが、長寿企業を支える力になってきました」
また、以下のように日本文化の特質についても書かれています。
「日本には他者を受け入れながら同化させていく文化があります。もともと日本には土着の神祇信仰がありましたが、仏教伝来にともない、元来の伝統を壊すのではなく、神祇信仰と仏教信仰が混淆して1つの信仰体系として再構築される神仏習合が起きました。このように、従来の伝統は守りながらも、他者を受け入れて、融合させていく土壌が日本にはあったのです。そして、もう1つが、農耕民族を背景にした、和、創意工夫、伝統、質素倹約、勤勉を尊ぶ日本人の国民性です。『三方よし』や『企業は社会の公器』といった企業観も日本に深く根付いています。このような国民性と『家』重視の文化が重なり合ったことが、日本に数多くの長寿企業が存続してきたベースになっていると言えるでしょう」
二「六九社の日本型サスティナブル企業」では、「ファミリー企業でないと長寿企業になれないのか」として、以下のように書かれています。
「これまでのファミリー企業の研究においては、『所有』、『ファミリー』、『経営』が重要な三要素と言われ、それぞれに役割があるとされています。所有は、株主として何代にもわたる絶え間ない事業継承を見守る役割です。ファミリーは、創業家として、事業環境が変化する中でも、理念・価値観を守り抜く役割です。経営は、経営者として事業継続させるために、時代の変化に適応する役割が求められています。三要素はいずれも、企業を長期にわたり継続させるために、非常に重要な役割を担っています」
三「時代、世代、事業の変化を超えた日本型サスティナブル企業」では、「時代の変化を乗り越える」として、以下のように書かれています。
「政治、経済、社会、技術の大きな変化はどれ1つとっても、企業が突然死する、もしくは逆に急成長するという、大きな変化点になります。企業継続にとって、良い意味でも悪い意味でも、まさに有事です。これらを乗り越えるためには、変化が比較的少ない平時から事業継続への強い執念を持ち、有事を常に想定しながら経営していくことが必要不可欠になってきます」
また、日本型サスティナブル企業は、平時には、「身の丈経営」に徹して質素倹約に努め、有事への備えをしてきたとして、述べられています。
「一方で、備えだけでは有事は乗り越えられない場合もあります。そのためには、常に新しい事業の芽を探し続ける姿勢も重要になってきます。ここでの対応も、短期ではなく長期的視点で、チャレンジしながらも致命的なリスクを負わない身の丈経営を実践してきました。そして、いざ有事となり継続の危機になった時も、身の丈経営の精神で自分自身を見失わずに、守るべきものを守りながら、変えるべきものを果敢に変える意思決定をしてきたのです」
さらに、「世代の変化を乗り越える」として、述べられています。
「一般的に長寿企業の経営者の在任期間は長く、20年から30年といった長期にわたる事例も数多く見られます。300年にわたる事業継承では少なくとも10代以上の世代の変化を経験することになります。これは、経営者に限らず社員にとっても同じことです。創業者、もしくは創業時代の事業運営に直接関与してきた経営者や社員がその会社に存在するのは、長くても創業者の孫やひ孫の世代までが限界になってきます。それ以降は、創業時に形成された創業の志、理念、価値観、逸話などを直接の経験として語り継ぐ人は皆無になります」
続けて、世代について、以下のように書かれています。
「世代というものは時代の影響を大きく受けるため、どの時代にも世代の壁というものが存在します。よく言われる『最近の若者は・・・・・・』という話です。古代エジプトの遺跡でも、同様のことが言われていた記録が見つかっており、人類の宿命のようです。創業の志、価値観、理念というものは、企業のDNAであり、幾多の変化を乗り越えるための羅針盤であり、行動指針になるものです」
そして、「事業を変化させ続ける」として、以下のように書かれています。
「日本型サスティナブル企業は、その時々の事業や商品にだけ通用する表層的な能力ではなく、岡谷鋼機における人材、月桂冠における醸造技術のように、時代を超えて通用する独自のコア能力を持っています。そして、事業特性や環境変化への深い理解をしながら、独自のコア能力をベースにして、企業の理念、こだわり、スタイルといった価値観に沿って新しい商品・サービスを生み出すことで、新しい顧客価値を提供し続けています」
第一章の最後には、「日本型サスティナブル企業の経営の方程式(3つの秘訣)」として、以下のように簡潔にまとめられています。
「日本型サスティナブル企業は、300年という長期スパンで考えた時、時代、世代、事業という3つの大きな変化を乗り越え続ける必要がある。これらを乗り越える3つの秘訣は、掛け算であり、悪い部分があっても、3つの秘訣が絡み合い、補完することができる。取り巻く環境やその企業がおかれた状況によって、3つの秘訣の重要度は異なる」
第二章「顧客価値を提供し続ける」の三「企業継続の事業ポートフォリオ」では、企業成長の事業ポートフォリオについて述べられています。
「もともと、ポートフォリオという概念は投資の世界から生まれました。『すべての卵を同じバスケットに盛るな』という言葉に象徴されるように、そのバスケットを落とした時にすべての卵が台無しになってしまうので、複数のところに分散させるべきだというのが根幹になっています。事業ポートフォリオという概念の元祖である、ボストン・コンサルティンググループが開発したPPM(Product Portfolio Management)では、『企業の持続的成長に向けて、市場成長率が高く、相対的マーケットシェアの低い健全な問題児に常に投資し続けよ』と言っています」
また、「顧客価値を提供し続ける」として、日本型サスティナブル企業の経営の方程式(事業の変化)における「コア能力と価値観に沿った顧客価値を提供する」ために必要な3つの力が以下のように紹介されます。
(1)コア能力を自己認知する力
(2)コア能力をベースに顧客価値を再構築する力
(3)コア能力を磨き続ける組織能力
その前提として、「戦う土俵の選び方と戦い方」を間違えるとコア能力を活かすことができないといいます。
第三章「身の丈経営を実践する」では、「地域・業界等からの信頼・期待によるガバナンスを効かせる」として、以下のように書かれています。
「日本型サスティナブル企業においては、経営者や従業員が、地域や業界等からの信頼・期待を裏切るようなことはできない、信用を損ねるような恥ずかしいことはできないと強く意識することが、自らの言動を律することにつながり、『倫理観に基づく内発的な統治機能(ガバナンス)』が強く働いている」
また、「神様や伝統を敬う心を経営に役立てる」として述べられています。
「神事・祭事を通じて人智を超えた神の存在を感じることで、普段の言動に謙虚さや慎重さが生まれ、そして脈々と受け継がれてきた伝統を大切にすることで、日々の仕事に対する愛着や誇りを持つようになる。その結果、特にルールで規制しなくても、経営者および従業員に対して内発的なガバナンスが働くようになり、経営者の暴走を抑制し、また従業員の不正や怠慢を防ぐ上で重要な働きをしている」
第四章「価値観をつなぐ」の一「日本型サスティナブル企業の価値観」では、企業の価値観について以下のように述べられています。
「企業の価値観とは、創業者やその時々の経営者、社員が拠りどころとする考え方、つまり、『その会社が大切にする基本的な考え方』を指します。企業も人間と同じく固有の価値観を持っており、このことが企業の行動や決断、会社の在り方に大きな影響を与えています。経営理念や行動規範は、この目に見えない価値観を背景にして分かりやすく明文化されたものであり、理念よりももっと深いところで価値観はその会社を支えていると考えられます。そして、企業のことの始まりが創業者の志(やりたいこと)であったのと同様に、価値観も基本的には創業者自身の価値観に拠るものです。創業時の業態が時代とともに移り変わるように経営理念などは時代にあわせて表現が変わることもありますが、その基盤となる価値観だけは不変で、いつの時代にも変わらず、深いところで広く大きく横たわっているのです」
また、「日本型サスティナブル企業の価値観」として、述べられています。
「日本型サスティナブル企業に共通して見られる特徴は、社長の意思決定、従業員の振る舞い、長く続く会社行事などの『実際の行動』が、価値観に基づいて『徹底的に実施されている』ことにあります。もちろん、日本型サスティナブル企業以外がこれから示す特徴を持たないということではありませんが、長年積み重ねられてきたそれらの行動は、時として他の企業には真似できないものになっているように思えます」
さらに、「価値観を社員に広げ、つなぐ」として、述べられます。
「研修等による社員教育のほか、社員同士の非公式な共通体験を通じて社員たちに価値観は浸透し、後世につながっていく。また、表面上の言葉にとどまらず先輩の行動や語り継がれる逸話で繰り返し価値観を見聞きし、体得することで継承が確かなものになっていく」
そして、「会社を超えて価値観をつなぐ」として、述べられます。
「同じ価値観を持つ自社の人間(社長、後継者、社員)が社外の関係者(顧客、仕入先、地域)と関わった体験によって、価値観の大切さを実感する。自社の価値観に基づいた行動で、社員が顧客、仕入先、地域など社外の関係者から感謝され、その価値観に自信を持つ。その結果、より深く価値観が浸透し、後世に伝える動機になる」
第五章「日本型サスティナブル企業の経営を下支えする三つの要素」の一「コミュ二ティと共存する」では、「『身の丈の貢献』による好循環の維持が『共存価値』を生み出す鍵になる」として、以下のように述べられます。
「かつて、松下電器産業の創業者の松下幸之助は、『徳を積むということは、隣人にその時々の自己の最善を尽くしきること』と言ったそうです。日本型サスティナブル企業はまさに、徳を積み続けてきた企業とも言えるでしょう」
続けて、企業の共存価値について、以下のように述べられます。
「企業にとって共存価値は、平時は事業運営への理解や雇用や優遇などの恩恵をもたらしてくれます。有事になり、企業が破綻しかけた時は、共存価値を棄損させないために、コミュニティの関係者から有形無形の支援の手が伸びて、厳しい時を脱する力として働くことがあります。日本型サスティナブル企業も、破綻の危機に瀕した時、それまでの共存価値が慣性として働き、資金援助や、顧客を紹介してくれるといった救いの手が差し伸べられて、厳しい時を脱したというエピソードが数多く見られました」
二「神事・祭事を経営に活かす」では、わたしのブログ記事『会社のカミ・ホトケ』で紹介したようないわゆる会社宗教について以下のように書かれています。
「日本型サスティナブル企業を調査すると、非常に多くの企業に神棚や御礼があり、社内神社や物故者法要、創業家特有の行事が数多く存在することが分かりました。それ以外の企業でも、パナソニックや、サッポロビール株式会社(創業1876年)、花王株式会社(創業1887年)、大和ハウス工業株式会社(創業1955年)など社内神社を持つ企業は多数あります。パナソニックでは、松下幸之助が創業初期に社内に神社を作り、白龍大明神が守護神として祀られています」
わが社の神事のようす
「神事・祭事が生み出す効果」としては、以下のように述べられます。
「具体的な活動に目を向けてみましょう。神棚に向かってお祈りをする時は、一般的に、同じ動作を全員で実施することになります。型のように皆で同じ動きをする、規律のあるルーチンワークです。このように、理屈を抜きに皆で一緒にやる行為とは、組織に規範をもたらし、組織の自律につながっていきます。毎日の掃除、ラジオ体操なども、皆でやる規律のあるルーチンワークと言えるでしょう。筆者の一人も、定期的に全社員と一緒に神棚にお参りをしています」
社長として玉串奉奠を行います
続いて、会社の神事について以下のように述べられます。
「先頭に立つ自分のリズムにあわせて、全員が一糸乱れず二礼二拍手一礼をするたびに、リーダーとして身が引き締まるとともに、お天道様に対して恥ずかしくない行動をしようという気持ちになります。皆でお祈りをする時は、その集団のリーダーの動きにあわせ、柏手や礼のタイミングを取ります。このように皆がリーダーの一挙手一投足に注視し、それに合わせるという行為は、リーダーの自覚を促します。また、社員の心理にも影響を及ぼし、リーダーを中心とした一体感を生む土壌にもなります」
これは、「礼の社」として神事や祭事を欠かさないわが社の場合を見ても、「まさにその通り」と深く共感しました。
平成心学塾のようす
三「組織学習で社員を伸ばす」では、以下のように書かれています。
「長寿企業になるためには、社長や後継者だけでなく、社員一人ひとりが構成する組織が変化に対応し、その企業の社風を体現することが必要です。そのような社員を育てるためには、個人が個別に学習するだけでなく、チームである組織が相互の関係性の中で学習する組織学習が重要です。日本型サスティナブル企業には、組織学習によって、その企業の社風を体現する社員を育てるメカニズムが組み込まれています」
わたし自ら講話を行います
また、「組織学習で社員を伸ばす」として、以下のように述べられます。
「実践共同体への新しい参加者である新人が、徒弟制度的プロセス(職人の育成システム)の過程で、共同体の熟達者である先輩や経営者、ステークホルダーを教師として、自らが社会的実践を通じてアイデンティティを確立し、その共同体の価値観やコア能力発揮といった社風を体現する社員に成長する」
そして、「組織学習における徒弟制度的プロセスを活かす」として、以下のように述べるのでした。
「徒弟制度的プロセスは、いわゆる見習い修業の学習過程を認知的に理論化した学習方法であり、『規範提示と目的の認識』、『親方による個別指導』、『独り立ちの足場作り』、『支援を減らし自律に導く』の4つのプロセスから成り立つ」
「三〇〇年企業」を目指したい!
本書で述べられているように、組織学習は非常に重要です。
わが社の場合は毎月の「平成心学塾」や各種の責任者会議などを開催し、かつ、さまざまな資格の取得をプロとして目指すことによって、常にラーニング・オーガニゼーションとなることを心掛けています。さらなる組織学習によって、わが社も「三〇〇年企業」を目指したいものです。
サンレー創立50周年まで、あと2日!