- 書庫A
- 書庫B
- 書庫C
- 書庫D
2016.12.20
20日、『人生の修活ノート』(現代書林)の見本が出ました。大型本で合計116ページとなっています。カバー表紙には淡いピンク色で桜が描かれており、帯には「人生の美しい『修め方』」と大書され、続いて「『人は老いるほど豊かになる』を実践するためにあなたの『老いの時間』を記録していきましょう。究極のエンディングノート誕生!」と書かれています。
『人生の修活ノート』(現代書林)
いま、世の中は大変な「終活ブーム」だといいます。多くの高齢者が、生前から葬儀や墓の準備をしています。また、「終活」をテーマにしたセミナーやシンポジウムも花ざかりで、わたしも何度か出演させていただきました。さらに、さまざまな雑誌が「終活」を特集しています。ついには「ソナエ」(産経新聞出版社)という終活専門誌まで発刊され、多くの読者を得ています。
その一方で、「終活なんておやめなさい」といった否定的な見方も出てきています。実際、「終活」という言葉に違和感を抱いている方も多いようです。特に「終」の字が気に入らないという方に何人もお会いしました。
もともと「終活」という言葉は就職活動を意味する「就活」をもじったもので、「終末活動」の略語だとされています。わたしも「終末」という言葉には違和感を覚えてしまいます。なぜなら、「老い」の時間をどう過ごすかこそ、本来の終末だと思うからです。
わたしは「終末」の代わりに「修生」、「終活」の代わりに「修活」という言葉を考えてみました。「修生」とは文字通り、「人生を修める」という意味です。
考えてみれば、「就活」も「婚活」も広い意味での「修活」ではないかと思います。学生時代の自分を修めることが就活であり、独身時代の自分を修めることが婚活なのです。そして、人生の集大成としての「修生活動」があります。
本書の「目次」は、以下のようになっています。
●はじめに 「老い」を豊かにする「修活」こそ必要
●プロローグ 「修活」とは、残りの人生を考えることから始まる
●ノートの使い方 日々の生活を記録する「修活修活ノート」の使い方
第1部 人生を豊かにするにするために
第1章 「老い」を豊かにする「修活」
「老い」とは、無縁社会を生きること?
「老い」と「死」に揺れる魂を安定させる
死を見つめ、儀式で縁を深める
死を乗り越えるための読書
死を乗り越えるための映画
「老い」を豊かにする文化活動のすすめ
辞世の歌・辞世の句のすすめ
第2章 「死」を恐れない「修活」
自分の葬儀をイメージする
葬儀は何のためにあるのか
葬儀が愛する人の心を守る
あなたは、永遠に生きられる
「遺体」の本当の意味とは
年齢について考える
時間は「日薬」である
コラム:葬祭業者選びの基本
日本で行われる葬儀の4割は互助会
人は葬儀によって永遠に生きられる
月は「永遠」のシンボルである
葬イノベーション①自由葬の中での迷い
葬イノベーション②日本人の死生観と葬イノベーション
葬イノベーション③海洋葬~海に還る永遠葬のかたち
コラム 海洋葬セレモニー
葬イノベーション④樹木葬~桜と日本人
葬イノベーション⑤天空葬~衛星ロケットに故人の遺骨を乗せる
葬イノベーション⑥月面葬~『ロマンティック・デス』の時代が来た!
葬イノベーション⑦月への送魂――人間の死は宇宙的事件である
葬イノベーション⑧「家族葬」のイノベーション
冠婚葬祭互助会の使命と役割
第3章 お墓の修め方
お墓は要らない?
墓地・お墓の手続き
【墓地の使用権を失うとき】
改葬について
分骨するとき
改宗したとき
墓の種類と内容
増える納骨堂
墓地の種類は3つ
複数の墓を統合する選択
お墓の未来形
手元供養
ミニ骨壺とミニ仏壇
第4章 おカネやモノの修め方
お金の備えは「年金」が基本
お金老後資金の管理の5の法則
お金「自分らしく」を実現するための制度
お金無駄をチェックしてみよう
お金定年後破産の引き金は家のローン
お金家に関する「終活」のポイント
お金相続税の問題は考慮せず、でOK
お金遺言書の基礎知識
お金遺留分放棄
モノの整理術(1)「片付け」という整理
モノの整理術(2)メールや携帯電話について
モノの整理術(3)遺品整理について
モノの整理術(4)「片付け」のコツ
第2部 私の記録と希望を伝えるために
第5章 人生の修め方の準備のために エンディングノート
自分のこと
携帯電話・パソコン
預貯金
資産
その他の資産
借入金・ローン
クレジットカード
年金
保険
家族一覧表
親族一覧表
親族表
友人・知人一覧表
ペット
健康管理
告知・延命処置
介護
「もしも」の時
お墓
遺言書
第6章 自分らしいフィナーレのために 葬儀
「葬儀の流れ」を、まず知りましょう
「自分らしい」葬儀のために
自らの葬儀について
お別れに来てほしい人
感謝の気持ちとおもてなし
葬儀後について
●エピローグ
●死はけっして不幸ではない
●いつか、また会える
この生を修めんとして生くるなら 命かがやき 怖れなどなし
カバー前そでには、「この生を修めんとして生くるなら 命かがやき 怖れなどなし」という道歌が掲載されています。かつての日本は美しい国だったように思います。しかし、いまの日本人は「礼節」という美徳を置き去りにし、人間の尊厳や栄辱の何たるかも忘れているように思えます。それは、戦後の日本人が「修業」「修養」「修身」「修学」という言葉で象徴される「修める」という覚悟を忘れてしまったからではないでしょうか。
「親族一覧表」
「友人・知人一覧表」
「自分らしい」葬儀のために
携帯電話・パソコン
老いない人間、死なない人間はいません。死とは、人生を卒業することであり、葬儀とは「人生の卒業式」にほかなりません。老い支度、死に支度をして自らの人生を修める・・・・・・この覚悟が人生をアートのように美しくするのではないでしょうか。わたしは「老い」という時間を豊かに過ごすための一助になればと思い、『人生の修活ノート』を執筆いたしました。
あなたが美しく人生を修めるための準備として、本書をご活用いただければ、これに勝る喜びはありません。
超高齢社会を迎えた日本で、エンディングノートの必要性が増しています。
エンディング・ノートを遺言だと思っている方がいますが、それは違います。遺言というのは、法的な拘束性がありますし、財産の分配などを記載します。自分がどのような最期を迎えたいか、そのような旅立ちをしたいか・・・そんな旅立つ当人の想いを綴るのが、エンディング・ノートです。わたしは2009年7月に自分史ノートの要素をミックスしたエンディングノート『思い出ノート』(現代書林)を刊行しましたが、今回の『人生の修活ノート』はそのアップデート版です。来年の1月7日発売予定。ぜひ、ご利用下さい!