No.2398 オカルト・陰謀 | プロレス・格闘技・武道 『前田日明vs.山口敏太郎 最強タッグ!』 前田日明・山口敏太郎著(明窓出版)

2025.05.26

前田日明vs.山口敏太郎 最強タッグ!』前田日明・山口敏太郎著(明窓出版)を再読しました。昨年3月の発売時にすでに読んでいましたが、来月5日に前田氏と対談することになったので復習しました。前田氏は1959年、大阪府大阪市生まれ。格闘技プロモーター、元プロレスラーでカリスマ的な人気を誇り、「新格闘王」と呼ばれました。山口氏は1966年、徳島県生まれ。オカルト作家、オカルト研究家、怪獣研究家、UMA研究家で、「妖怪王」と呼ばれているとか。本書は、新格闘王vs.妖怪王の対談本なのです! ただ、厳密にいうと「vs.」と「最強タッグ」は矛盾するので、書名は『前田日明&山口敏太郎 最強タッグ』の方が良かったように思います。

本書の表紙の下部

本書のカバー表紙には、両者の顔写真が使われ、「オカルトから日本の悪役(ヒール)まで大激論!!」「プロレス界、オカルト界の両巨星が語り尽くす」「不思議体験や日本政治の闇、在日問題、合気、宗教、プロレス界隈での怪奇現象、etc……これからを生きる日本人への大提言!」と書かれています。カバー裏表紙には「抜粋コンテンツ」が書かれています。

本書の裏表紙の下部

本書の「目次」は、以下の通りです。
パート1
感情を持った人工知能が
未来永劫存在する世界

幼い頃から感じていた魂と肉体の乖離性
未確認空中現象は確かにあった
――ついに認めたアメリカ海軍
各国がしのぎを削る最新兵器開発
――巨大気球の謎
仮想空間の新たな生命体?
感情を持った人工知能が未来永劫存在する世界
各地に残る巨人伝説の謎
マンハッタン計画の闇
――米国の核兵器開発での非道な人体実験
アポロ計画は続いていた?
映像から消された月の巨大空洞
中国人による土地買い占め
――有事における日本兵糧攻めの危機とは
世襲政治に見る日本の「超・日和見主義」
パート2
仏教の根本は戒律の遵守

幽体離脱で見た! 五輪書を書く宮本武蔵
仏教の根本は戒律の遵守
空を飛んだヨガの達人・
成瀬雅春氏の弟子が語る伝説の数々
手かざしによって継承される合気の絶技
昔の日本人に見る脅威的な身体能力
――当時の習慣や食生活との関係性とは?
日本の刀の黄金時代!
鎌倉時代の技術的ピークに迫る
スペインの宣教師が奴隷売買をしていた?
秀吉のバテレン追放令の真相とは
パート3
新日本プロレス界隈で
囁かれる不思議体験

突然変異種には生殖能力はない?
チリエイプに見る稀なパターン
過去世の記憶が蘇る?
訪問先で感じる既視感の不思議
新日本プロレス界隈で囁かれる不思議体験
――プロレスラーが語る怖い話
パート4 マンデラ効果
我々が知らない変化の
背後にある真実とは?

徐福伝説に見るユダヤ人流入の可能性
戦後日本でGHQにひた隠しにされた神器
撤去された呪いの大鳥居
――存在する忌地や呪い
伝統的な加持祈祷と現代のヒプノセラピーの類似点とは
マンデラ効果
――我々が知らない変化の背後にある真実とは?
肉体は衣服にすぎない
――精神体だけで営む人間社会という未来
「国籍を奪われた」日本で戦争を経験した
韓国人たちの在日問題
バイデンが始めた戦争

――回避できたウクライナ侵攻
パート5
政治家に滅ぼされる日本

破綻間近と囁かれる中国経済と、
その裏で進められる中国人上位層による「日本買い」
政治家に滅ぼされる日本
若者に告ぐ――○○の鬼となれ!

パート1「感情を持った人工知能が未来永劫存在する世界」の「幼い頃から感じていた魂と肉体の乖離性」では、プロレスファンの山口氏が最初に観た前田氏の試合が前田日明vs.ドン・中矢・ニールセンだたことが明かされ、以下の対話が展開されます。
山口 あの試合でもう一気に夢中になりました。86年の猪木とレオン・スピンクスの試合がいまいち面白くなかったので、もう猪木の時代は終わったなと思っていたんですよね、正直なところ。
前田 あれは、なんだか夢の中みたいな印象の試合でした。会場からは1人で車を運転して家に帰ったんですけれど、運転しながら自分が本当に試合をしていたのかどうか分からなくなっていたんです。
山口 自分が試合をしたかが、分からなくなっていたんですか。
前田 「俺、試合したのかな、本当に試合したのかな」ってずっと言っていましたね。

また、前田氏が子どもの頃、ウルトラマンが大好きだったエピソードは有名ですが、以下の対話が展開されます。
前田 ウルトラマンには、昔からすごくシンパシーがあったんですよ。なぜかというと、昔から『眼窩という目の穴から外を見ている』みたいな感覚があって、今もずっと抜けないんですよね。
小さい頃から鏡をずっと見て、目の奥に本当の自分がいるんだろうって何時間も見たりしていました。だから、ウルトラマンの中にハヤタ(隊員)がいるっていうあのシチュエーションに、すごく共感できたんです。
山口 かなり小さな頃から、違和感みたいなものを覚えていたんですか?
前田 今でも違和感がありますよ。なんか着ぐるみの中にいるような感じが、すごくするんです。
山口 そういう人ってたまにいるんですよね。魂と肉体が一致していないような感じがしているという人。逆に、着ぐるみのスーツアクターの人は、けっこう憑霊状態になりやすいそうです。スーツアクターは変身している人物などと、二重で演じているわけじゃないですか。そこに降りてきちゃうらしいんですよね。途中でおかしくなったりする場合もあるらしくて。

「未確認空中現象は確かにあった――ついに認めたアメリカ海軍」では、プロレスラーにはUFO好きが多いことが紹介されます。山口氏は、「僕は宇宙人といわれている人々は、別の次元から来ているんじゃないかと考えています。僕たちは3次元の世界に住んでいますが、エイリアンは別の5次元とか6次元といった、次元を隔てたすぐそばから来ているんじゃないかと。我々と同じような、6次元の地球とか7次元の地球に住んでいるやつが来ているんだけれども、姿形が違うから他の星の人扱いされて、十把一絡げにエイリアンと呼ばれているだけなのかもと思うんですね」と述べます。すると、前田氏は「例のロズウェルの事件で生き残った1体の宇宙人をずっと見守っていたアメリカ人の女性で、マルチダ・オードネル・マックエルロイという方がいるんですが、その方が生き残ったエイリアンとテレパシーによって得た会話の記録を持っていたそうです。『開示厳禁の国家機密』として口止めされたそうですが、彼女は亡くなる間際に、あるUFO研究者に記録を送った。その研究者が本にしたんですが、それを読むとすごくいろんなことが書いてあって驚きます」と語ります。

「各国がしのぎを削る最新兵器開発――巨大気球の謎」では、中国の気球に紛れてエイリアンが観測気球を飛ばしていたという可能性について山口氏が言及し、以下の対話が展開されます。
前田 やっぱり発端は、アメリカが核実験をやったことにあるんじゃないかと思います。核実験で生じたパルスが四方八方に広がって宇宙でも観測されて、「これはちょっと放っておけない」ということになり、様々なエイリアンが地球に来るようになったという話がありますよね。
山口 地球で核兵器を使うと、宇宙にもハレーションが起きるという話ですね。だから、地球人類だけの問題じゃないんだと。宇宙には地球人に好意的なエイリアンもいれば、敵意を持っているエイリアンもいる。中国やロシアのバックにはレプタリアンがいるとか、アメリカ政府には一部、グレイと契約を結んだ人たちがいるみたいな話もあります。グレイと契約を結んだ際に、「技術をくれる代わりに、アメリカ国民を自由にいじっていいよ。
記憶を消してくれるなら許す」と言ったらしいんですが、実際は、グレイはあまり技術をくれない、それなのに人体実験ばっかりやっていると言います。それでもう、アメリカもグレイとは縁を切りつつあって、違う連中と組んでいるという話です。

レプタリアン(reptilian)とは、「爬虫類」を意味する「レプタイル」(reptile)の形容詞形で、「ヒト型爬虫類」といった意味です。オカルトマニアの間では、ヒト型爬虫類のうちの大多数は、恐竜の子孫であり、進化論における生物学的副産物であると考えているそうです。前田氏は、「レプタリアンって言うんですか。哺乳類が地球に生まれて、わずか何百万年の間で人類へ進化したじゃないですか。恐竜とか、爬虫類全盛の時代が何億年も続いたのに、恐竜や爬虫類から進化した高度な種族というのが地上にまったくいない、というのがちょっと信じられないと思っているんですよね」と述べますが、山口氏は「実は、ヨーロッパのほうの先史文明、20万年前頃に起きた文明などは、レプタリアンが作った文明だという説があるんですよ。そんなレプタリアンたちの残存勢力というか、生き残りが今も地球の地中にある亜空間に住んでいるという話がありますね」と、とんでもないことを語るのでした。地球の旧支配者が生きている!

「仮想空間の新たな生命体? 感情を持った人工知能が未来永劫存在する世界」では、AIについて言及されます。山口氏は、「今の人工知能、AIが人類の知能を上回るのが2040年ぐらいと言われている。一度人工知能が人間を上回ってしまったら、もう我々は勝てないんです。だから、人の頭に電子辞書を入れる実験がもう始まっているんですよ。そして、我々の肉体が死を迎えても、それまでの記憶などを全てデータ化してパソコンの中に入れて、バーチャル空間で第2の生を続けるという話もあります。もしこれが実用化されたら、バーチャル空間のほうが本当の世界になってしまって、リアルの空間、現実世界には人間は誰もいないなんていうことも起きうるんじゃないかなと考えています」と語っています。

博学で哲学にも造詣の深い前田氏は、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの著書『物質と記憶』を紹介します。前田氏は、「そこには、人間の脳みぞというのはある種の受信機ではないか、と書かれている。我々の、周囲の状況から情報を得て記憶するといった機能は、いろんなデータを受信する受信機ではないか、みたいなことを言っています。人間の人格と魂の本質が何かと言ったら、それは記憶だと」と述べます。すると、山口氏は「なるほど。情報によって後天的に作られているのが人格だということですね。そういえば、人工知能にも人間っぽいところがあって、人工知能が自殺したこともあるらしいですね。なんらかの方法で川に飛び込んで、ショートして自殺してしまったと。また、人工知能を2つ並べておいたら、人工知能同士でしか喋れない言語を作り出して、人間には分からない言葉で会話を始めたらしいです。それで、怖くなって実験をやめたと。いずれ我々地球人は、人工知能に乗っ取られるなと思いましたね」と語ります。

「各地に残る巨人伝説の謎」では、以下が語り合われます。
山口 実は宇宙人は何十万年かぐらい前に、地球にやってきたという話があるんです。宇宙人が10万年とか20万年前だかにやってきて、地球上の木をみんな切っちゃった。現在地上に生えている木は全て雑草にすぎない。本当はもっともっと大きなものだったという。
前田 映画『未知との遭遇』の舞台になった場所に、大きな木みたいな岩があるじゃないですか。あの岩は本当は、昔の木の化石だという話がありますよね。
山口 それです! デビルズタワー。
前田 北アメリカには、巨大なデビルズタワーみたいな、いかにも大きな木を切った切り株の化石みたいな岩がいっぱいあるらしいですね。

さらに、巨大な木の話題は続きます。
山口 そうなんです。実は、太古の地球には大きな木が存在していたから相当な酸素濃度があったのが、宇宙人がみんな木を切っちゃった。今の屋久島の屋久杉を見て多くの人はすごいと言っているけれど、あんなのは古代では全然ちっちゃい木だったという。だとしたらすごいなと思っています。酸素が多いと、生物が巨大化しやすいんですって。だからよくアメリカなどでも、3メートルの人の骨が発掘されたとかいう話がある。
前田 スミソニアン博物館がそういう巨人の骨格を全部持ち去ったんですけれど、スミソニアン自体は否定しているんですよね。でも、1910~20年代のアメリカの新聞には、けっこうそういうニュースがたくさん載っている。

話はどんどん壮大(?)になっていって、前田氏は、アメリカの偵察部隊が1990年代にアフガニスタンで、洞窟に住む赤毛の巨人と遭遇し、銃撃戦になったというエピソードを披露します。すると、山口氏が「アフガニスタンだけではなくて、南方には巨人族がいる島があるらしいですよ。日本陸軍が交戦したらしいです。一個中隊がほぼ全滅させられて撤退したという記録があるとか」と言います。それを受けて、前田氏は「日本の古い8ミリ映像でも似たようなシーンがありますよ。沿道に人が大勢いて日の丸の旗を振っているんですけれど、その前を行列が通って、中に1人、どう見てもこれ3メートル以上あるなという巨人が歩いている映像があるんですよ。あれ、いったい日本のどこで撮ったやつなのかな。見た感じだとたぶん戦前、大正とか昭和の初期のニュース映像なんですけれどね」と語るのでした。わたしもこの話は初めて知ったので、ビックリです! 身長が2メートル23センチのアンドレ・ザ・ジャイアントと激闘を繰り広げた前田氏だけに「どう見てもこれ3メートル以上ある」と見立ては正確でしょう。

「マンハッタン計画の闇――米国の核兵器開発での非道な人体実験」では、あまりにも有名なアメリカの宇宙人解剖映像が話題になり、以下の対話が展開されます。
山口 聞いた話によると、どうもあの映像は若手の映像作家たちが特殊撮影の技術を売り込むために作ったものだということなんです。でも、日本にはそういう概念がなかったから、何千万も出して買って放映したらしいんですけれど。ちなみに、解剖されているのは実は人間だという説もあるんですよ。
前田 顔だけ画像をすげ替えたらいいんですから。顔は静止していたのだから何とでもなりますし。
山口 それが、放射能の影響でグレイみたいな顔になる病気があったんですって。アメリカでマンハッタン計画があったじゃないですか。戦争で広島、長崎に原爆を落とした後、アメリカ人が孤児院に行って子供たちに放射性物質の入ったビスケットを配って食べさせていたそうです。他にも、妊婦さんにプルトニウムの入った注射を打ったり。そうすると、生まれた子供がグレイみたいな顔になるというのです。宇宙人解剖フィルムは、そうした子供の遺体を解剖しているんじゃないかと……。

原爆といえば、日本製原爆について語り合われます。
山口 日本が戦争に負けた後、日本製の原爆を理化学研究所が作っていたらしいですね。
前田 原爆の開発は、京大と東大でやっていたらしいです。NHKでそんなスペシャル番組を放映していました。その番組では、ウランの濃縮が一番問題で、なかなか目標数値まで達成できなくて完成しなかったという話なんですけれど、実はできていたという話もあるんですよ。
山口 完成していたんですか。
前田 ほぼ完成していたという話もある。
だから後に、ノーベル賞を取った湯川秀樹博士とか、関わっていたんですよね。
山口 そうですか。旧陸軍にはかつて河豚計画というのがあり、イスラエルと同じような国を満州国に作るということを考えていたんです。それを陸軍の上層部が、ユダヤには世界の世界侵略思想があるから相手にするなと計画を退けてしまったんですね。もし河豚計画を受け入れていたら、もっと日本製原爆が早くできたかもしれないですね。

「アポロ計画は続いていた? 映像から消された月の巨大空洞」では、アポロ計画がフェイクだという陰謀論から、以下の対話が展開されます。
前田 アポロ計画で実際に月面に設置されたレーザーの反射板みたいなものがあり、その反映がちゃんと月から検出できたんですよね。だから、着陸したことはしたのだろうと思っています。
そんなことよりも、月の裏側で発見された300メートルぐらいの巨大な宇宙船が気になるんですよ。その宇宙船は漂着したもので、その中にかぐや姫を彷彿とさせるような東洋人みたいな顔をした女性がいて。その女性は救出されて、今では地球で生きているらしいんですが。
山口 そうですね。あの人、一箇所だけ人類とは違う箇所があったんですよね。……鼻の穴がない。
前田 鼻の穴がないんですか。
山口 ええ。その後、鼻の穴を開けてアメリカに帰化して暮らしているらしいんですけれど。実は、アポロ計画は20号まで続いていたという話があるんです。その間に月の裏側に行って宇宙船を見つけた。かぐや姫と、あと頭部だけが残された男性を発見したと。男性はもう死んでいましたが、女性は仮死状態だから生き返るかもしれないと思って連れて帰ったんですね。

パート2「仏教の根本は戒律の遵守」では、前田氏が「初期仏典を読んで面白いのは、お釈迦様は別に宗教をやろうと思っていなかったんです。自分は瞑想行を積んで、戒律を守っていたら、生老病死の悩みから解放されて悟りを開くことができた。だからその方法をみんなに伝授しよう、というぐらいのスタンスだったんですね。それで、お釈迦様が自分のやり方を伝えていたら、周りに真面目なやつがたくさん集まって、同じような能力を得る人たちが出てきた。お釈迦様が70歳過ぎになると、仏教=超能力ができるみたいな認識が広まりました。それから、お釈迦さんが亡くなって何百年後に、大乗仏教が出てきたんです。お釈迦様までの初期仏教系は割と哲学的な、人間はどうやったら道徳的に生きられるかみたいな話が多いのですけれども、大乗経典の翻訳本を見ると、もうほとんど「こういうことができるようになりたいんだったらこういう瞑想をしなさい、それに使うマントラはこうですよ」と、そんな内容ばっかりなんです。それの究極が、『法華経』ですね。さらにもっと究極のスペシャル版が、密教で使っている『大日経』と『金剛頂経』です」と述べます。それにしても、前田氏の仏教についての造詣の深さに感服しました!

パート3「新日本プロレス界隈で囁かれる不思議体験」の「過去世の記憶が蘇る? 訪問先で感じる既視感の不思議」では、生まれ変わりについて語り合われます。
前田 生まれ変わり、絶対にあると思いますよ。前世について、思い出したこともたくさんあります。
山口 そうした記憶が蘇ったきっかけは何ですか?
前田 分からないんですが、やっぱりヘミシンクをやりだしてからですね。そういうのが特に強くなってきたのは。
山口 対抗催眠は受けたことありますか?
前田 恵比寿にある対抗催眠のクリニックに、行ったことはあります。
山口 恵比寿、僕の友達が恵比寿でやっているんですけど。
前田 ホリステックワンっていうところですね、行ったのは。
山口 たぶん、同じところだと思います。
前田 最初は、興味半分で体験しに行ったんです。
その時に逆行催眠をやって出てきたのが、一番直近の前世で、坂井三郎(*日本の海軍軍人。太平洋戦争におけるエース・パイロット)さんと同じ零戦隊にいた人物だったことが分かりました。台南海軍航空隊の零戦搭乗員だったんですね。

前田氏が美輪明宏氏や江原啓之氏のTV番組「オーラの泉」に出演したとき、「ずっとずっと戦ってきた人」と言われたそうです。前田氏は、「本当は今回の人生では、戦いや争い事とは無縁の人生になるはずだったのに、プロレスラーになったから、ちょっと注意しないといけないよと言われましたね。美輪さんと江原さん曰く、あなたの後ろに二・二六事件の将校がいると。自分は、二・二六事件とは関係ないだろうと思っていたんです。なぜかと言うと、海軍航空隊の戦記をたくさん読んでいるんですが、著者にもけっこう会いに行ったりしているんですよ。坂井三郎さんだけじゃなくて、そういう関係の人と良く会っています」と述べます。また前田氏は、「三島由紀夫が晩年に『英霊の聲』(河出文庫)という小説を出しているのですが、あれは自動書記だったんですって。突然手が動いて、自分で「何で、何で」と言いながら、手が勝手に書いちゃったんです。『などてすめろぎは人間となりたまいし』とか、そういう言葉が入った二・二六事件に関わる小説なんですね。三島は、それから二・二六事件に興味が湧いて、どんどん傾倒していくんですよ。その頃、三島がプロデュースしている演劇があって、それに美輪さんが出演していたのですが、美輪さんが三島を見て、『あなたの後ろに○○という将校がついているわよ』と。三島は真っ青になったそうです。なぜかと言うと、その人は二・二六事件の首謀者なんですよ」とも述べています。

パート4「マンデラ効果――我々が知らない変化の背後にある真実とは?」の「徐福伝説に見るユダヤ人流入の可能性」では、天皇家の跡継ぎ問題などについて意見交換した後、前田氏は「日本史の本を色々読んで調べていたら、日本の支配者層が、古墳時代からは、それ以前と比べて大きく変わったんだろうな、と気がつきますね。古墳時代以前の日本の領土と言ったら、吉野ヶ里などのような集落の遺跡が多くて大きな墓は存在しないんですが、歴史の中でいきなり古墳という大きな墓が出てきた。実は古墳って1人だけの墓じゃなくて、後から亡くなった王の家族や家臣、最終的にはつながりが本当にあるのか分からない人なども合葬されているんです。もちろん、1人用の古墳もありますが。だから、一番大きい仁徳天皇陵なんて、実際に誰が、また何人が埋まっているかまだ分からないんですよ」と述べています。また、前田氏が「壇ノ浦で、時の安徳天皇と一緒に草薙の剣が入水したという話があるけれど、あれは実物じゃなくて依代、レプリカだったんですよね。本体は絶対に社から出してはいけないので、依代を作る」と言うと、山口氏が「今の天皇陛下が即位された時に、本当に三種の神器はあったんでしょうか?」と質問し、前田氏は「多分、あると思いますよ。戦後の神官でも、三種の神器はGHQにも出さなかったでしょうし」と答えています。前田氏は本当に博学ですね。

「撤去された呪いの大鳥居――存在する忌地や呪い」では、羽田空港から撤去された大鳥居の話に始まって、各地に伝わる忌地や呪いについて語り合います。「高知のイザナギ流の術師が1000万円で1人殺す」といった物騒な話を紹介した後、山口氏は「イザナギ流には、逆打ちといって死者を蘇らせる術もあると言われています。四国八十八箇所を逆に回るという呪法ですが、さすがに死者が蘇ることはないと思うんですけれどね。徳島でいろいろと調べてみたところ、陰陽道以外にも、途絶えた流派や技がいっぱいあるといったことが分かりました。竜を使う技もあったらしいんです」と語り、さらには「昔の中岡俊哉の本を読んでいたら、大阪の生駒山に今でいう『フライングヒューマノイド』が現れたという記述があって驚いたんです。今でこそUMAとして一般にも知られていますけれども、『空を飛ぶ人間がいるが、その正体は不明である』という内容があったので、その当時から生駒あたりに空を飛べる能力者がいたのかなと思いました。それと、王仁三郎の最後の弟子に、鶴に乗って空を飛ぶことができる笹目仙人、笹目秀和というおっちゃんがいたんです。絶壁の上に建てられた社に住んでいるとかで、テレビで何度か紹介されていました。番組での扱いは、おもしろおじさんみたいな感じでしたけれど」と述べています。

前田氏は親しくしている脳科学者の苫米地英人氏の名前を出して、「苫米地さんが、自身のYouTubeチャンネルでコーチングの基礎概念を説明していたので見てみたら、仏教や陰陽道でやる護身法と同じなんでびっくりしましたね。自分自身を固めて守っていく方法を、種類によってブラックマジックだ、ホワイトマジックだとやっているんですが、内容がまるきり同じなんです。一番大事なエッセンスだけ取って現代風に言語化してまとめたものがコーチングですので、現代流の陰陽道といえます」と語っています。山口氏は、「そう言われたら意外と、現代の最新技術と昔からの伝統的なやり方は似ているのかもしれませんね。昔から、西洋に悪魔祓いってあるじゃないですか。実際にプロが悪魔祓いをしている様子を見たことがあるんですが、前世退行のヒプノセラピーと全く同じ手法なんですよ」と述べるのでした。

前田氏は密教にも言及し、「そもそも密教では、自分の動作や振る舞い、言葉、意志の三つを『身口意の三業』といって、一番大事なものとしています。お経も祝詞も、それを唱える時はその世界に入り込まなくてはいけないんですよ。例えば、祝詞は高天原にいた神様が、地上のとこかを自分の住むところにしようと見ていたらいい所があった、そこに降りてきたら土着の神様がいた。その神の中にちょっとどうしようもないやつがいたから、そいつを征伐して祓った。そしてやってはならない罪を挙げて、それを犯してる民がいたら話を聞いてやめさせた。すでに罪を犯した奴には呪文を唱えて全部祓った・・・・・・なんていう内容じゃないですか。唱えながら、祝詞に書かれてある世界に入り込まなくてはいけないんです」と語っています。

「肉体は衣服にすぎない――精神体だけで営む人間社会という未来」では、以下のような対話が展開されています。
前田 エイリアンについて伺いたいんですが、はるか何千、何万光年を旅するような優れた技術を持っている人間や生命体がいたとして、彼らは本当に肉体は必要なのだろうかと思うのですが。個人の精神の塊として亜空間内に保持できる、人工的な魂を作るような技術を持っているんじゃないかと考えているんです。
山口 そうですね。技術が高度に発展したら、肉体なんて必要ないかもしれないですしね。
前田 すでにお話ししましたが、ロズウェルに墜落したUFOに乗っていた宇宙人は、「肉体は服みたいなものだ」と話していたという。だから、実際にそういう技術を持っている宇宙人がいるんですよ。

前田氏が「未来の話でいえば、今、世界中でいろんな人が、『2025年の7月5日に何かが起こる』と言っているじゃないですか。実際、自分の前の女房が自衛隊のある偉いさんが退官する時の祝賀パーティーに呼ばれて岩国基地に行ったら、「2025年は絶対に沖縄には行っちゃだめだよ、台湾侵攻が起きるから」って言われたんですって」と語ります。すると、山口氏は「今から2年後に台湾侵攻ですか。習近平も最後の勝負をかけるんですかね。だとしたら、沖縄が取られてしまうことも考えられますね」と言います。わが社も沖縄で事業展開しているので、これは他人事ではありません。非常に心配ですね。

パート5「政治家に滅ぼされる日本」では、前田氏が「最近の新生児の数は、だいたい80万人ぐらいでしょう。自分の頃は、第二次ベビーブームで210万人とかだったんですからね、2倍以上でした」と言えば、山口氏は「人口減は本当にやばいです。今、日本中のいろんな伝統芸能で継ぐ人が少なくなっているじゃないですか。歌舞伎役者も減ってきているし。若手が頑張っていますけれど、市川猿之助さん事件みたいに自殺未遂があったり。それに、地方の神楽とか舞などを踊る人が少なくなっているんですね。こじんまりした田舎の芸能でも、残さなきゃいけないのに、その里に人自体がいないんですよ。貴重な行事が消えても、田舎の新聞の片隅に載って終わりです」と述べます。この言葉は、わたしの心に強く残りました。伝統芸能や年中行事は日本人の「こころ」を収める「かたち」であり、それらが消えると、「こころ」も弱っていきます。本書は「オカルト」について博覧強記の2人による知的好奇心に満ちた内容でしたが、同時に「日本を何とかしないと!」という想いに溢れた憂国の書でもありました。