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No.1953 グリーフケア | 人生・仕事 | 人間学・ホスピタリティ | 幸福・ハートフル 『満月交心 ムーンサルトレター』 一条真也(現代書林)
2020.10.08
7日、金沢から小倉に戻ったら、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生との共著『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)の見本が届いていました。鎌田先生とのWeb往復書簡「ムーンサルトレター」の第121信から第180信までが収められ、約580ページのボリュームです!
『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)
本書の帯
本書のカバー表紙には夜空に浮かぶ満月のイラストが使われ、帯には「儀式とグリーフケアを語り尽くす!」「バク転神道ソングライター鎌田東二VS儀礼文化イノベーター一条真也」と書かれています。
本書の帯の裏
帯の裏には、「●『絶歌』●オウム真理教事件●終戦七〇周年記念映画●『唯葬論』●「母と暮せば」●「世界の涯てに」●死亡体験館●パゾリーニ●「シン・ゴジラ」●「君の名は。」●『葬式に迷う日本人』●『古事記』モスクワ公演●『儀式論』●サンレー創立五〇周年●成人式改良計画●『古事記』小倉公演●「沈黙~サイレンス」●『人生の修め方』●『日本人は死んだらどこへ行くのか』●グリーフケア読書&映画●「ヴィラルーチェ」完成●サンレー創立五〇周年記念祝賀会●冠婚葬祭の「巨人の星」●天皇制と大相撲●『唯葬論』文庫版●「リメンバー・ミー」●『天河大辨財天社の宇宙』●「冠婚葬祭4.0」●『日日是好日』●「ヘレディタリー/継承」●「ボヘミアン・ラプソディ」●礼儀のアップデート●「ファースト・マン」●『震災と向き合う子どもたち』●新元号「令和」●「ヘレーネ・クリムトの肖像」●令和最初の「終戦の日」●『グリーフケアの時代』●即位の礼●大嘗宮の儀●互助会とグリーフケア●新型コロナウイルス●パンデミックとオリンピック・・・など」と書かれています。
満月に魅せられた二人
アマゾンの「内容紹介」には、「儀式とグリーフケアを語り尽くす! バク転神道ソングライターこと宗教哲学者・鎌田東二と儀礼文化イノベーターこと作家・一条真也が、満月の夜に交わした往復書簡第三弾(2015年7月15日:第121信から、2020年4月8日:第180信までを収録)、ついに刊行! コロナ禍の今、心を通わせた二人のやり取りが日本人の今後の生き方のヒントになる」とあります。
本書の「目次」
本書の「目次」は、以下の通りです。
「まえがき」一条真也
第121信
『絶歌』 オウム真理教事件
第122信
「久高オデッセイ」 大重潤一郎
第123信
終戦70年記念映画 大重潤一郎監督を偲ぶ会
第124信
『満月交遊 ムーンサルトレター』 「能舞奉納」
第125信
「サンデー毎日」 出雲大社参拝
第126信
バリ島 『唯葬論』
第127信
「母と暮せば」 横尾龍彦先生
第128信
「世界の涯てに」 自然治癒力
第129信
インド 地獄谷温泉
第130信
『世界聖典全集』 スサノヲノミコト
第131信
グリーフケア 救援救助ボランティア活動
第132信
死亡体験館 パゾリーニ
第133信
青木新門 神道ソングライター
第134信
連続講義 大重祭り
第135信
島田裕巳 「シン・ゴジラ」
第136信
「君の名は。」 鳴鏑の矢
第137信
『葬式に迷う日本人』 「古事記」モスクワ公演
第138信
『儀式論』 聖地巡り
第139信
サンレー創立50周年 大乱世
第140信
成人式改良計画 三島由紀夫と阿部公房
第141信
「古事記」小倉公演 「沈黙~サイレンス」
第142信
台湾 「最後の誘惑」
第143信
『人生の修め方』 『遠藤周作文学全集』
第144信
中国訪問 東北被災地めぐり
第145信
『日本人は死んだらどこへ行くのか』 『平家物語』
第146信
『言霊の思想』 空海
第147信
グリーフケア読書&映画 七冊の小説
第148信
盆踊り 恐山と瞑想の科学
本書の「目次」
第149信
「ヴィラルーチェ」完成 マルチプレーヤー
第150信
創立50周年記念祝賀会 冠婚葬祭の「巨人の星」
第151信
天皇制と大相撲 『新古今和歌集』
第152信
『唯葬論』文庫版 南方熊楠
第153信
はれの日 石牟礼道子
第154信
桃の節句 トップアスリート
第155信
客員教授 「リメンバー・ミー」
第156信
中欧訪問 五月連休
第157信
多死社会 「アカインコ」
第158信
久高島と沖縄本島 天河との出会い
第159信
『常世の時軸』 『天河大辨財天社の宇宙』
第160信
『天河曼荼羅』 東大寺
第161信
「冠婚葬祭4.0」 「六六六×三」
第162信
『日日是好日』 「禁じられた遊び」
第163信
初講義 魂の三兄弟
第164信
「ヘレディタリー/継承」
「ボヘミアン・ラプソディ」
第165信
礼儀のアップデート 『津軽のカマリ』
第166信
「ファースト・マン」
『震災と向き合う子どもたち』
第167信
『決定版 冠婚葬祭入門』 韓国行き
第168信
新元号「令和」 Oリングテスト
第169信
映画でキリスト教を考える
「ヘレーネ・クリムトの肖像」
第170信
函館夫婦旅 ベトナムとラオス
第171信
石垣島 『夢通分娩』
第172信
令和最初の「終戦の日」 老年哲学国際会議
第173信
『グリーフケアの時代』 『熊楠と賢治』
第174信
クアラルンプール 「中空土偶」
第175信
即位の礼 天空教室
第176信
大嘗宮の儀 『新論』
第177信
サムライの歌 聖詩
第178信
互助会とグリーフケア 祖母の思い出
第179信
グリーフケアVR 新型コロナウイルス
第180信
パンデミックとオリンピック
ハレー彗星インパクト
「あとがき」鎌田東二
『満月交感 ムーンサルトレター(上)』『満月交感 ムーンサルトレター(下)』『満月交遊 ムーンサルトレター(上)』『満月交遊 ムーンサルトレター(下)』(いずれも水曜社)の続編で、満月シリーズ5冊目となります。今回は上下2巻に分けずに1巻としました。ですから、すごく分厚いです!
満月シリーズが勢揃い!
本書に収められたレターは、じつにさまざまなテーマが縦横無尽に語られていますが、あえてメインテーマを挙げるとしたら「儀礼・儀式」と「グリーフケア」ではないでしょうか。鎌田先生は、宗教の三要素として、「神話・儀礼・聖地」の重要性を力説されておられます。その中で、儀礼とは、神話に基づき、神話と連携しながら、神や霊などの超越的な存在世界との接触を果たし、この世界で生きていく活力や癒しを得る身体的技法と表現であるといいます。『満月交感 ムーンサルトレター(下)』の「まえがき」の最後に、わたしは「人はみな神話と儀礼求むると 文を交わせし師に教えられ」という歌を詠みましたが、わたしは、儀礼とはほとんど文化の同義語であると考えています。そして、儀礼の核を成すものが儀式です。儀式とは、ずばり「かたち」のことです。
ついに、「人生100年時代」などと言われるようになりました。その長い人生を幸福なものにするのも、不幸なものにしてしまうのも、その人の「こころ」ひとつです。もともと、「こころ」は不安定なもので、「ころころ」と絶え間なく動き続け、落ち着きません。そんな「こころ」を安定させることができるのは、冠婚葬祭や年中行事といった「かたち」の文化です。「かたち」には「ちから」があります。そんな考えを、これまで、わたしは『儀式論』(弘文堂)や『人生の修め方』(日本経済新聞出版社)や『人生の四季を愛でる』(毎日新聞出版社)をはじめ、一連の著書に書いてきました。
また、現代日本では、大切な人を失った悲嘆に寄り添い、支える「グリーフケア」の重要性が高まっています。わたしは、経営する冠婚葬祭互助会で2010年からグリーフケア・サポートの活動を開始し、2018年からは上智大学グリーフケア研究所(JGCI)の客員教授に就任し、「グリーフケアと儀式」「グリーフケアと互助会」「グリーフケアと読書」「グリーフケアと映画鑑賞」などをテーマに講義を行なってきました。同研究所の島薗進所長、特任教授の鎌田先生とともに共著『グリーフケアの時代』(弘文堂)も上梓することができました。
満月シリーズの背表紙! 『交心』の厚さを見よ!
現在、一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の副会長として、わたしは全互協の儀式継創委員会を担当し、全互協とJGCIのコラボであるグリーフケア・プロジェクト・チームの座長を務めています。2021年度にスタート予定のグリーフケア資格認定制度の立ち上げを準備していますが、本書でわたしたち二人が語り合った「儀礼・儀式」および「グリーフケア」についての諸発言は、冠婚葬祭の現場で働かれる方々や、グリーフケアの資格取得を目指す方々にとっても大いに参考になると思います。
「明るい世直し」を目指す二人
21世紀になってから、むごい事件、災害が頻発し、人々は気の休まる暇もありません。アメリカの同時多発テロ、世界各国に起きた大規模地震、とりわけ東日本大震災、世界中で起こっている水害、大規模火災。そして、今回の新型コロナウイルスのパンデミックは世界中を疲弊させ、大きな不安と深い悲しみをもたらした。今ほど、不安定な「こころ」を安定させる「かたち」としての儀式、悲しみに対処するグリーフケアが求められる時代はありません。ウィズコロナ、アフターコロナ、ポストコロナ、そしてビヨンドコロナを生き抜くヒントを本書から読み取っていただければ幸いです。満月の夜に「こころ」を交わすわたしたちは、ともに「明るい世直し」を目指しています!
本書のテーマソングは桑田佳祐の「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」だと自分で勝手に思っています。まあ、わたしたちは「聖者」ではなく「変人」かもしれませんが(笑)。しかし、15年以上もの間、「ムーンサルトレター」を続けている鎌田先生との御縁に心から感謝しています。こうなったら、死ぬまで、いや死んだ後も文通を続けたいと願っています。本書のカバーの背の色は鎌田先生のイメージ・カラーであるグリーンです。もしも、第6弾が出版される暁には、今度のカバーの背の色はわたしのイメージ・カラーであるパープルにしていただきたい!
『満月交心 ムーンサルトレター』は、10月28日に全国の書店およびネット書店で販売されます。どうか、ご一読下さいますよう、お願いいたします。